投資に必要な資金手当てもする大切な役割を担っています。
企業は事業を継続するため、拡大するために投資をします。
経理部門は投資判断やその後の管理等、投資にも密接な関りがあります。
本記事では投資における経理部門の役割や求められる専門家像にも触れたいと思います。
1. 設備投資
企業の設備投資には大小様々なものがあります。
規模が大きくなればなるほど、その投資判断が企業の未来を大きく左右されることになります。
事業の成長や見込まれる利益と投資にかかるコストを数値を使って投資の適否を客観的な判断に置き換える作業は経理部門の大切な業務です。
またより良い資金調達方法を選択してその後の運転資金の変化にも対応できる様に見通し立てなければなりません。
リースが良いのか、購入が良いのか、クラウドサービスの様な利用料を払う形態で導入するべきなのか、この様な判断も経理部門の大切な役割となります。
判断には単純なコスト比較だけではありません。
設備投資に対する優遇税制が適用できないか?そのための適用要件はなんなのか?
補助金制度が利用できないか?そのための適用要件は?
きちんとした計画に基づいた投資であることに目を光らせるべき立場でもありますが、「守りの姿勢」を貫くだけでなく「攻めに転じて」も強い味方となれるのが、本物の経理のプロと言えるでしょう。
2. M&A
目まぐるしく変わるビジネス環境において事業成長スピードを問われることも多くなっています。
一から事業を育てるよりも先行企業を買収して事業拡大スピードを最大化させる戦略もあります。
そんな時に経理部門は大きくかかわることになります。
買収先の企業の資料として各種財務諸表に基づいた判断も必要です。
また税務上の論点整理もしなければなりません。
買収後の企業の見通しを立てる際には多岐にわたる論点を踏まえて財務的な数値を積み上げて判断材料となるように情報を整理することも大切になってきます。
買収のための資金手当ても設備投資以上に多額となることが予想され十分な検討が必要です。
だからと言ってスピード、つまり時間を買う側面があるM&Aですから悠長なスタンスで臨むわけにはいきません。
専門的なコンサルティングを入れてM&Aを進めることも多いかもしれませんが、経理部門がこの様なプロジェクトの財務的な側面の中心的な役割を果たしていかなければなりません。
3. 資産運用
資金が常に枯渇して運転資金もままならない状況では事業を継続するのは至難の業です。
経理部門は少しでも安定的な資金繰りが継続できるように日々の状況把握とコントロールが大切です。
だからと言って常に必要以上の資金を眠らせていては財務的なロスとも言えます。
そのため資金の動きを見極め資産運用も検討する必要があります。
4. 期待される経理部門の攻めのアシスト
経理部門はともすると過去の取引を記録して、税務署や監査法人からペナルティを課されたり、指導を受けない様に安全に、安全に会社を守っていく印象の強い部門と言えます。
しかしながら前述の通り、社会の変化の激しい昨今はスピード感をもった経営を求められることも多いです。
経理部門も会社を守る要となる一方で会社の「変化」にも有益な情報を適時に提供できる部門でもあることが益々求められていると言えるといます。
従って、時には積極的に判断に関与していく姿勢もとれるような「攻めにも強い」経理マンが求められることでしょう。
税務や会計の知識も常にアップデートして新しい取引形態にも対応できる力を磨きながら、この様な求めに応じられるように意識して日々の業務に取り組んでいきたいですね。
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