簿記3級からの経理の仕事「部門内処理基盤の整備」

机上の紙ファイル
経理の仕事ってどんな環境を整備して仕事してるのでしょうか?
マニュアルの整備も大切ですが、それよりも実務に役立つことがあります。

経理の仕事を効率的に品質を維持するために整備することが大切なことがあります。

経理の仕事を以下の記事で網羅的にお伝えしてきました。

今回は部門内の処理基盤の整備についてお伝えします。

1. マニュアルの整備

どんな業務もマニュアルの整備の重要性が言われます。
どんな目的があるでしょうか?

  • 新人が仕事を覚えるのを早く効率的にいくように
  • 業務が属人化せずに標準的な業務水準を維持するために
  • 手順が属人的ではないことを他者にしょうめいするために

私は経理の仕事に就いてみて、他の仕事から比べるとマニュアルの重要度は高くないと考えています。
一つは法律とか会計ルールが存在しいて拠りどころがあるからです。

また、その部署に新人が入ってくる頻度はそんなに多くないのに、常にアップデートする手間を考えるとあまり広範囲にマニュアルを作成するのは考えものです。
マニュアルって業務に慣れてくると必要なくなるので常に定期的に新人さんが入ってくるような部署でないとメンテナンスしても無駄になります。
また業務改善な頻繁な部署だとアップデートの頻度を高くしないとすぐに陳腐化してしまいます。

自分たちのオペレーションについてマニュアルを充実させるより全社の一般社員向けの分かりやすいマニュアルを作成し、分かりやすい閲覧方法を研究していく方が優先度は高いのではないでしょうか?
そこが充実すれば現場の人たちからも喜ばれるし、提出される経理関連書類の誤りが減少して業務効率も向上して余剰時間が捻出できるようになります。
現場指導に関するお話は改めて別の記事で詳しくご紹介したいと思います。

更に日常的な業務で発生するエラーを抑制するためだったり業務の標準化を進めるなら経理業務は次項で説明する「チェックリスト」の作成とメンテナンスに力点を置いた方が有意義です。
チェックリストは日常業務で「使うことによりメリットを享受でき」メンテナンスすれば次回からすぐにそのメンテナンスにより向上された業務水準に活かすことができます。
毎月同様のオペレーションを繰り返す経理業務、月次決算の様な業務にはマニュアルの作成よりはチェックリストの作成にエネルギーを注ぐ方が良いというのが私の持論です。

これは経理への世界に入って初めて働いた税理士事務所時代にチェックリストを毎月見直すことで体に染みついた習慣となっています。

2. チェックリストの整備

業務におけるチェックリストとは大きく分けて2つのタイプがあると思います。

  1. ある一定の工程が終了した時点で成果物が一定の品質をチェックするタイプのチェックリスト
  2. 工程そのものを漏れなく遂行するために工程を順番に記載してひとつづつ潰していくタイプのチェックリスト

会計的に表現すると前者のチェックリストは「貸借対照表」型、後者は「損益計算書」型と言えるかもしれません。

月次決算(年次決算)チェックリストなら、決算の工程全てを作業順に網羅したチェックリストとその要所要所に品質チェックリストを埋め込む、そんなものがとても有効だと思います。

会計の業務には「数値をチェックする」様な業務も多く、その作業記録を付けていないとエラーが起きた時などに原因分析としたときに作業のどこに問題があったのかがトレースしにくい側面があります。
チェックリストで適正なタイミングで適正のチェックをしたかどうかを後から確認できる仕組みは有効です。

いずれチェックリストのひな形なども当サイトでご紹介していきたいと思います。

3. 業務改善

業務改善とは日々の業務の効率化やエラー発生防止等を行うことです。
エラー発生を発端に再発防止策として行うこともあれば、飽くなき創意工夫の継続による改善もあるでしょう。
ここで言う改善は「ペーパーレス化を推進するために電子帳簿保存法を適用する」とか「現場の入力の手間を省く経費精算システムを導入する」といった改革ではなく、もっと小さな地道な改善を指します。
「業務の微調整」と言えるかもしれません。

これらの改善作業は地味で全社的な観点からは目立たずあまり褒めらえれる機会もないかもしれませんが、強い経理はこういったことを積み上げて作られるものです。

エラーが発生したら見過ごすことをせず、原因分析を直接的な原因と根本的な原因に分けて分析するなどしてそれに見合う解決策を創意と工夫で考えていくことが大切です。
そしてその解決策を試してみて効果があるかどうかをきちんと実証してみて効果があれば採用し、効果が薄ければ更に別のアイデアを出し合って課題を解決していきます。
いわゆるPDCAを回していきます。

経理業務は山の様な取引を処理するのでチェックで見つけ出して最終工程までの間に潰せたエラーも含めれば月次作業でエラーがゼロということはまずないでしょう。
ですからこの様な取り組みにはネタに事欠くこともなく、完成品という状態はなく日々改善を繰り返していくような姿勢が大切です。

但し、先述の様な「改革」は従来のやり方の延長線上として「改善策」とは異なるアプローチが必要となります。
従来のやり方を完全に捨て去って新しい仕事のやり方を考えるような発想が必要と言えるでしょう。

今後は日々の業務改善をしつつも、それらを躊躇なく捨てて発想の転換を伴う様な改革にも積極的に取り組める人材が経理部門を支えていくことになるではないでしょうか?
それほど経理を取り巻く環境はスピードを持って変わっていくと予想されています。

このあたりのお話も別の記事にて詳しくお伝えしたいと思います。

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